Flatt & Scruggs (その1):ビル・モンローの三角関係がバンド離脱の理由?
2006年 03月 22日
今月の原宿ブルーグラスジャムでは、Flatt & Scruggs の曲をテーマに取り上げたいと思っています。
そこで、Flatt & Scruggs にまつわる話題などを少し取り上げたいと思います。
Flatt & Scruggs については、いろいろな話があるのですが、中でもビル・モンローのブルーグラス・ボーイズからの脱退は、いまだに語り草になっているのかと思います。
Lester Flatt も Earl Scruggs も、もちろん、ビル・モンローのことを大変尊敬していたわけですが、二人でグループを離脱したのには、いろいろな訳がありそうです。
何が正しいのか、いろいろな説があるようなのでよく分りませんが、1つ思い白い話は、ビルの愛人関係が彼らの離脱に関係していた、という話です。
彼ら二人が離脱したのは、1948年の2月と3月ですが、この頃のビル・モンローは、一つの絶頂期だったようです。ビルは、グランド・オープリーのスーパースターでもありました。
ただ、一方で、バンドメンバーとしては、ツアーずくめの生活や、ペイの問題もあったようなのですが、もう一つ、Earl を悩ましていたのが、ビルとその愛人、ベッシー・リー・モールディン、そして彼女の夫のネルソン・ガンの三角関係でした。
↑一番左のベースを弾いているのがベッシーです。だいぶ後年の写真です。
ビルとベッシーとの関係というのは、ついたり離れたり、いろいろと複雑なようですが、この頃は、ベッシーとビルがよりを戻したところで、ハイウエーパトロールの警官だったベッシーの夫のネルソンが妻を取り返そうと割って入るような複雑怪奇な状況だったようです。
ビル達は、あの有名な "Blue Grass Boys" と書かれた長いリムジーンでツアーのためにあちこち旅をしていたわけですが、相当なスピードで飛ばしていたようで、いつハイウエーパトロールのネルソン・ガンに捕まってしまうか、とびくびくしていたそうです。
その上、もしネルソンに捕まったりしたら、リムジンの中には、ネルソンの妻であるベッシーがビルと一緒に乗っていたりするわけですから、カッときたネルソンと、いつ何時、撃ち合いのようなことにならないとも限らない、というようなぶっそうな状況だったようです。
Earl は、それやこれやで、このような生活が嫌になり、 Lester より先にやめてしまいます。
Lester も1ヵ月後にビルの元を去るのですが、ビルは、随分と引きとめ工作をしたようです。
Lester は、「お金が問題ではなく、とにかく自分でバンドをやってみたいのだ」、という説明をして離れて言ったようです。
ビルは、最後には、Lester の奥さんにも引止めを依頼したようですが、奥さんから、夫が独立してやってみたいと言っているからそれに賭けてみたい、と言われて、ついにあきらめざるを得なかったそうです。
ビル・モンローにとって、ベッシーという女性はいろいろな名曲のソースになっていますが、最良のパートナーを失う一つのきっかけも作っていたんですね。
by harajukujam
| 2006-03-22 00:53